01/22/2025 | Press release | Distributed by Public on 01/21/2025 23:31
文化社会学部ヨーロッパ・アメリカ学科が1月15日に湘南キャンパスで、「知のコスモス」の企画としてドキュメンタリー映画上映会(共催=文学部歴史学科西洋史専攻)を開催しました。2001年のアメリカ同時多発テロ事件発生当時、アメリカ連邦議会の中で唯一武力行使に反対した民主党下院議員のバーバラ・リー氏を追ったドキュメンタリー映画『権力を恐れず真実を―米国下院議員 バーバラ・リーの闘い―』を上映し、63名の学生が聴講しました。
当日は、同作品の字幕制作・監修を務めた岡田泰弘氏(中部大学語学系嘱託講師)を講師に招聘。上映前の導入として、アメリカの議会制度や政党、リー氏の政治活動などを解説しました。本作品は、アメリカ同時多発テロ発生後、ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が議会に向けて対イラク武力行使容認決議の採択を求めた際、唯一反対票を投じたリー氏の半生を紹介しており、「武力行使は最後の手段。まずは戦争を回避するための方法を探るべき」という信念の下、賛成派の脅迫に屈しない様子や徐々に増える支持者の声、19年に下院で同決議の修正案が可決されるまでの過程が関係者のインタビューを交えて紹介され、人種差別や貧困といったアメリカの社会問題にも焦点が当てられています。
上映後は、岡田氏が作中で出てきたキーワードやリー氏の政策について解説したほか、自身が携わった字幕制作を振り返り、英語と日本語の微妙なニュアンスの違いを説明しました。学生からは、「今回映画を見て、なぜリー氏が支持されているかを理解できました。また、社会を変えるためには一人ひとりが考えて行動することが大切だと感じました」「映画では彼女が正義であるという視点だったため、そうではないと考える人々の話も聞いてみたい」といった感想が聞かれました。