WFP - World Food Programme

03/31/2026 | Press release | Archived content

世界的なサプライチェーンの混乱が、深刻な食料不安を加速させている

本稿はジュネーブで行われた記者会見で、世界食糧計画(WFP)のサプライチェーン部門責任者のコリーヌ・フライシャー氏(ローマよりZoomで参加)が述べた発言の記録です。引用文は同氏の発言として帰属します。
この会見では、中東紛争がWFPのサプライチェーン業務に深刻な影響を及ぼしていることが強調されました。世界各地の人命救助を目的とした食料配送が、長期の遅延やコスト増加に直面しています。これはCOVID 19やウクライナ戦争の開始以降で、最も深刻な人道的サプライチェーンの混乱であり、WFPは今日のサプライチェーンの課題が、明日の飢餓危機につながると警告しています。

【ジュネーブ】皆さま、おはようございます。私たちにとって、今回の事態は、COVID-19やウクライナ戦争の開始当初以来、最も深刻なサプライチェーンの混乱です。現在、WFPは中東における戦争の影響を受けている食料が、7万トンあります。その約半分はチャーターされたバルク船に積まれており、残りの半分はコンテナに入ったまま、航行中、または港に滞留して動いていない状況です。

この影響は、言うまでもなくホルムズ海峡に関連しています。WFPの船舶自体はホルムズ海峡を航行していませんが、そこで起きている事態の波及的な影響を受けています。

この影響はサプライチェーンの上流全体に及んでいます。船舶が港で足止めされ、適切に接岸できなかったり、出港できなかったりするほか、コンテナが荷揚げされない状況も発生しています。その結果、コンテナの輸送能力に制約が生じ、本来積み込みが行われるべき時に、コンテナが利用できない、あるいは必要な場所に存在しないといった事態が起きています。これは、世界的なサプライチェーン全体の混乱です。COVID-19の際は、状況が安定してから元の状態に戻るまでには4~5か月を要しました。今回は、より長期にわたり、コストの上昇やリードタイムの長期化といった影響を受けることになると予測しています。

影響を受けている地域は中東にとどまらず、アフリカにも及んでいます。運送業者がエジプトのスエズ運河や紅海を使用せず、代わりにソマリアやジブチ周辺を含むアフリカの角を回り、さらに南アフリカの喜望峰を経由して東アフリカ地域へ向かっているためです。その結果、輸送日数は約25~30日延び、運賃も15~25%上昇しています。これは航行距離が大幅に長くなり、より多くの燃料を必要とすること、そして燃料価格自体が高騰していることが主な要因です。

現在、WFPが最優先で行っているのは、人道支援活動向けの貨物を優先的に輸送してもらえるよう、運送業者に要請することです。WFPは国連機関で唯一、独自の海運部門を持ち、船会社や船主と直接やり取りを行っています。この種の対応は、私たちが常に行っているものであり、多くの場合、効果を上げています。

第二に、現在発生しているコスト増をできる限り抑える取り組みを行っています。私たちは中東の一部の港湾で、船会社が課しているコンテナ1本あたり2,000~4,000米ドルの追加料金の免除を交渉しました。これは1トン当たり約200米ドルの追加費用に相当します。これらのサーチャージが免除されたことで、すでに約150万米ドルのコスト回避につながっています。これは船会社から、非常に前向きで大きな協力を得られているからだと考えています。

そして最後に、私たちは貨物のルート変更も行っています。これは非常に大きな対応です。具体的な例を挙げます。アフガニスタンでは、1,700万人が食料不安に直面しており、私たちは食料を届ける必要があります。私たちはその多くをパキスタンで調達していますが、パキスタンとアフガニスタンの間の状況によって影響を受けました。そのため、イラン経由で搬入するよう貨物のルート変更を行いました。

しかし、イランのバンダレ・アッバース港に向かうために迂回輸送を進めている途中で戦争が勃発しました。その結果、貨物をドバイのジェベル・アリ港に転送せざるを得なくなりました。現在は、ドバイからサウジアラビア、ヨルダン、シリア、トルコ、アゼルバイジャンを経由し、トルクメニスタンを通って、最終的にアフガニスタンへ陸送する計画です。

この対応により、1トン当たり約1,000ユーロの追加費用と、さらに約3週間の時間がかかりますが、この状況が長期化した場合に備え、新たな陸上輸送ルートを検証し、確保することにもつながります。

最後に申し上げたいのは、この紛争が人びとに与える長期的な影響について、私たちが非常に強い懸念を抱いているということです。これは車に燃料を入れるために、ガソリンスタンドに並ぶ人びとのことではなく、すでに収入の50~70%を食費に充てている人たちのことです。生活費の上昇が続けば、彼らはやがて食卓に食べ物を並べることができなくなります。

私たちの予測では、この状況が6月まで続いた場合、深刻な飢餓に直面する人びとはさらに4,500万人増えると見ています。これについては、これまでも繰り返しお伝えしてきました。現在、その人数は3億1,800万人ですが、3億6,300万人にまで増加する見込みです。同時に、人道支援活動に対する資金は以前にも増して不足しており、支援を必要とする人々を十分に支える能力が制限されています。

私たちは、ニーズの拡大、コストの上昇、そしてこの組み合わせによって人びとに支援が届かなくなるリスクについて、非常に強い懸念を抱いています。具体例を挙げますと、レバノンではすでに国内輸送コストが45%上昇しています。アフガニスタンでは、すべての迂回対応により、コストが3倍になっています。これは、あらゆる地域での食料価格の上昇につながり、大きな懸念となっています。

ありがとうございました。

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世界食糧計画(WFP) は世界最大の人道支援機関であり、緊急時には命を救い、食料支援を通じて人々が紛争、災害、気候変動の影響から立ち直るための平和と安定、繁栄への道を築いています。

WFP - World Food Programme published this content on March 31, 2026, and is solely responsible for the information contained herein. Distributed via Public Technologies (PUBT), unedited and unaltered, on April 06, 2026 at 04:55 UTC. If you believe the information included in the content is inaccurate or outdated and requires editing or removal, please contact us at [email protected]