09/16/2026 | Press release | Distributed by Public on 09/15/2026 23:04
東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員 小澤 克人、以下「東京建物」)と東京建物グループの東京不動産管理株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役 社長執行役員 福井 弘人、以下「東京不動産管理」)は、ビルメンテナンス業界が直面する人材不足や従事者の高齢化、ノウハウ継承などの課題に対応するため、複数の建物を横断的に管理する拠点として、ビルメンテナンスセンター「BASE YNK(ベース インク)」(以下「本施設」)を東京駅近くに開設し、本日2026年9月16日より実証運用を開始しました。
本施設では、DX化や設備センサー技術を駆使することで、管理業務の高度化・効率化を図り、複数の物件を遠隔管理する「群管理モデル」を採用します。これにより、管理品質の平準化と向上を図り、安定したビル管理サービスを継続的に提供できる体制を構築します。
本施設開設時点においては、東京建物グループが保有・管理する建物が集積する、八重洲・日本橋・京橋(YNK)エリアに所在する4物件を管理対象とし、「群管理モデル」の効果や運用上の課題を検証し、将来的に対象物件を拡大していく計画としています。
近年、企業による人材確保・定着に向けた働く環境への関心の高まりや、自然災害等を見据えたBCP対応の重要性の高まりを背景に、オフィスビルにはこれまで以上に安定した運営と管理品質が求められています。また、建築費の高騰により既存建物を長期的に利用する重要性も高まっており、建物における管理品質の維持・向上が重要なテーマとなっています。
一方、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施するアンケートに回答した約9割※の企業において、「現場従業員が集まりにくい」点が悩みごととなっており、人材不足や高齢化が進む中、次世代を担う人材の育成やノウハウ・ナレッジの共有が大きな課題となっています。特に中小規模の建物では、少人数の担当者が点検や不具合対応、入居者対応など幅広い業務を担うことが多く、現場で培われた知識や対応ノウハウ・ナレッジが特定の建物や担当者に留まってしまう傾向にありました。また、業務習熟者の不在時においても管理品質を一定水準に維持することも課題の一つになっていました。このような管理手法の構造上、知識・技能について経験を通じて習得する機会が限られるといった状況が生じていました。
今般、東京建物と東京不動産管理は、YNKエリアにおいて複数の建物に関する情報と知見を集約し、チームで共有・活用する「群管理モデル」を採用することで、属人化の解消、人材育成の促進、管理品質の維持・向上を図り、ビルメンテナンス業における課題の解決を目指します。
※ 公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2026」(第56回実態調査結果)37ページ参照
本施設は、YNKエリアの複数の建物を横断的に管理する群管理の「基地」です。管理対象となる各物件の設備情報、警報、点検記録、対応履歴などを集約し、建物の状況確認や設備トラブルの初動対応にあたります。
| 施設名称 | ビルメンテナンスセンター「BASE YNK」(読み:ベース インク) |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋三丁目1番2号 NTA日本橋ビル B1階 |
| 開設日 | 2026年9月16日 |
| 管理対象物件 | 東京建物八重洲ビル、東京建物日本橋ビル、東京建物八重洲さくら通りビル、東京建物八重洲仲通りビル 計4物件(2026年9月16日時点) |
| 施設面積 | 177.44㎡ |
| 施工会社 | 東京不動産管理株式会社(東京建物の連結子会社) |
複数の建物を横断して効率的に管理するために、本施設ではダッシュボードや3Dビューアといった様々なデジタル技術を活用します。これまで、建物ごとや担当者ごとに蓄積され、一部は紙の記録に依存していた情報をデータベース化し、チーム全体で共有し活用できる環境を整備します。これにより、業務習熟者が培ってきた知見やノウハウの継承を容易にし、人材育成を促進します。
各建物に分散していた設備警報やエネルギーデータなどを一元的に集約・管理するとともに、気象情報や緊急地震速報などの外部データも取り込み、複数の建物の状況を統合的に把握できるダッシュボードを構築しました。ダッシュボード構築のために独自開発したシステムでは、特許出願中の技術を採用し、必要な情報のみをリアルタイムで呼び出しています。これにより、大量の建物データを扱いながらもシステムの軽量化を実現し、多棟管理の実運用を支える基盤として活用します。
建物のデジタルモデル上で設備の警報や不具合の発生箇所を可視化する3Dビューアを導入します。これまで図面や複数の資料を参照しながら確認していた設備情報を建物情報とあわせて一元的に表示することで、迅速な状況把握を支援します。また、設備ごとに点検履歴や修繕履歴、過去の対応記録などを紐づけて蓄積・共有することで、担当経験の少ない建物においても必要な情報を参照しながら対応できる環境を整備します。
設備情報に加え、過去の対応履歴、トラブル事例などの東京不動産管理がこれまで培ってきた社内ナレッジを活用するために、設備異常発生時の対応方法や類似事例を検索できる、ビル管理業務に特化したAIチャットボット「ナレッジAI」を整備します。これにより、経験や社歴の浅い担当者でも過去の事例を参照しながら業務に対応できるほか、学習に活用することで知見の継承や人材育成を支援します。また、業務習熟者への問い合わせ集中を抑制し、業務負荷の軽減を図ります。
株式会社THIRDが提供する建物管理クラウド「管理ロイド」を活用し、点検、検針、清掃報告などの日常業務をデジタル化します。収集した情報はクラウド上で一元管理されるため、複数の担当者が同じ情報を参照しながら業務を遂行できる環境を整備します。AIによる検針値の確認や報告書チェック機能を活用することで、入力ミスや確認漏れを抑制します。これにより、担当者個人の経験や習熟度に依存しにくい業務運営を実現し、多棟管理における管理品質の平準化と向上につなげます。
人材不足を解決するためには、管理体制やデジタル技術の整備だけでなく、働く人が能力を発揮し、長く働き続けられる環境整備が求められています。そこで、本施設では、従来の管理所のイメージを見直し、明るく清潔感のある内装と、メンバー同士が相談・情報共有しやすいワークスペースを整備しました。
早期に複数の建物を経験できる機会を創出するとともに、経験豊富な社員と経験が浅い社員がチームで働き、日常的に知見を共有できる体制を構築します。業務負担の軽減だけでなく、採用、定着、育成を一体的に進め、ビル管理を担う人材基盤の強化を目指します。
東京建物と東京不動産管理は、本取り組みを通じて、単なる省人化ではなく、人材不足が進む中でも管理品質を維持・向上し、安全・安心・快適なオフィス環境を継続的に提供できるビル管理モデルを構築してまいります。本施設を拠点としたチーム運営、デジタル技術を活用した情報・知見の共有、働く環境の刷新を一体で進めることで、管理品質の向上と人材確保・育成の両立を図ります。
今後、YNKエリアを対象に実証運用を行い、管理体制や人材育成、デジタル技術の活用方法などを検証してまいります。蓄積した知見をもとに、将来的には他エリアやグループ外物件への展開も視野に入れながら、持続可能なビル管理モデルの確立を目指します。