04/14/2025 | Press release | Distributed by Public on 04/13/2025 20:35
グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、アメリカ、中国、シンガポール、日本を対象に、生成AIツールの利用状況や、Google検索におけるAI利用の実態に関する調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
* 海外 SEO (検索エンジン最適化)、および海外広告 (サービス概要:https://www.auncon.co.jp/service/)
昨今、生成AIの進化は目まぐるしく、日々新しいツールや機能が登場しています。特にGoogleにおいては、「AI Overviews」という検索クエリに対しAIによる概要が検索結果の上部に表示されるといった機能が、日本時間の2024年5月15日にアメリカでリリースされ(※1)、その後、2024年8月16日に日本でもリリースされ(※2)、多くのユーザーが利用可能となり、検索エンジンの利用方法やSEO戦略にも影響を与えています。
このような背景を踏まえ、当社では生成AIツールの利用状況や、検索におけるAI Overviewsの活用状況、信頼度といったAIに関する利用の実態について、アンケート調査を実施いたしました。
2025年3月の調査時点で、最も使われている生成AIは「ChatGPT」であり、特にシンガポールでは圧倒的なシェアを獲得しています。アメリカにおいても、シンガポールと似た傾向ではあるものの、AIの普及率としてはシンガポールには至っていないことが明らかになりました。中国では「Deep Seek」の利用者がGoogle Geminiに次いで3番目に多い結果となり、中国国内における高いシェア率が明らかになりました。一方、日本においては生成AIの利用率が調査対象4カ国の中で最も低く、AIが生成した回答への信頼度も最も低いという結果になりました。
また、各国におけるAIに対する課題として、信頼性や正確性に対する懸念が強く感じられたものの、AI利用者の多くは、リスクを理解した上でAIを活用していることがうかがえました。
利用している生成AIツールについて質問を行った結果、ChatGPTの利用率が各国で多い結果となりました。
特にシンガポールでは、2023年12月に政府より「国家AI戦略(NAIS2.0)」(※3)が発表されており、公共サービスや教育機関等におけるAI利用の容認や促進もあり、ChatGPTの利便性や認知度から圧倒的なシェアを獲得していると言えます。
アメリカにおいても、ChatGPTをはじめとした各生成AIツールにおいて高いシェアを獲得し、シンガポールと似た傾向となっている一方で、「その他」として「利用していない」旨の回答が約10%ありました。アメリカはトップクラスの技術開発力などを誇るものの、地域間格差や政策分散による影響もあり、シンガポールほどの広範囲な普及には至っていないことが考えられます。
また、中国では、「Deep Seek」と回答した割合が「Google Gemini」に次ぐ、3番目に多い結果となりました。Deep Seekは中国発のスタートアップ企業によって運営されており、2025年の1月には世界の株式市場にも影響を与えた「Deep Seekショック」と呼ばれる現象で注目を集めました。情報の取り扱いや脆弱性に関する指摘などから利用が規制されている国もありますが、中国国内においては、引き続き高いシェアを獲得している事が明らかになりました。
日本においては、「その他」として「利用していない」旨の回答が他の国と比較して最も多い結果となりました。一方で、PerplexityやClaudeが他の国と比較して高いシェアを獲得しており、Perplexityにおける日本のソフトバンク株式会社との提携や、Claudeにおいては、自然な日本語の文章生成に優れているとされている点などから、日本国内のAI利用者から注目を集め、シェアを獲得していると言えます。
良く使うAIツールを教えてください。(複数回答)
※「その他」には、「利用していない」という回答も含みます。
・日本におけるAIの普及率
総務省より2024年7月に公開された「情報通信白書令和6年版(※4)」によると、日本における個人の生成AI利用率は9.1%と、他国と比較して低い結果となっておりました。
また、本アンケート調査にて「AIツールの利用頻度」に関する質問を行った結果、「利用していない」と回答した割合が最も高い結果となり、引き続き日本におけるAIの利用率の低さが示されました。
AIツールの利用頻度を教えてください。
その他、AI Overviewsの信頼度に関する質問については、日本において「信頼していない」と回答した割合が他の国と比較して最も多い結果となり、さらにAI Overviewsの利用方法に関する質問においても、日本は「AIによる概要は使わず、常に下位の自然検索結果を閲覧する」という回答が最も多い結果となりました。日本においては、信頼性に対する強い懸念が、生成AIの低い普及率の一因になっていると考えられます。
・日本以外におけるAI Overviewsの信頼度
日本以外のアメリカ、中国、シンガポールにおいては、AI Overviewsの信頼度に関する質問について「熟読してから信頼するかどうか判断している」という回答が最も多い結果となりました。
また、利用方法に関する質問では、「AIによる概要を読んだ後、概要内のリンクをクリックしてウェブサイトを確認する」と回答した割合が、アメリカとシンガポールで最も多く、中国では2番目に多い結果となりました。
さらにAIツールを利用する上での課題に関する質問においては、正確さや信頼性を課題とする回答が多く集まっていました。
AI Overviewsの利用者の多くは、誤情報などが含まれるといった、信頼度の低さを課題としつつも、リスクを理解した上で、適切に活用されていることが伺えます。
一方、「AIによる概要の冒頭部分だけを読む」や「「もっと見る」をクリックして詳細を読む」といった、AI Overviewsのみで完結する、いわゆるゼロクリック検索を示す行動も、一定数の回答率を獲得しています。
今後、AI Overviewsのアップデートに注視しながら、参照元として引用されるようなサイトの見直しやゼロクリックへの対策なども重要になると言えます。
「AIによる概要(AI Overviews)」について、どの程度信頼していますか?
「AIによる概要(AI Overviews)」について、どのように利用していますか?
AIツールを使う上での課題は何ですか?(複数回答)
調査時点(2025年4月)におけるGoogleの検索エンジンサポートサイト「Google検索セントラル」(※5)によると、AI Overviewsで表示されるリンクは、Googleのシステムによって自動的に選定されており、従来どおり、Google検索の基本事項に従ったSEO対策を行うことで、AI Overviewsへの表示につながると言えます。また、Google独自の評価基準であるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を意識しながら、具体的かつ信頼性の高いコンテンツを作成することは、検索結果上位への掲載やAI Overviewsへの引用率向上につながります。
AI Overviewsに対する各国の信頼度は決して高くはないことが示されたものの、今後さらなる検索精度の向上などによって信頼性が増し、それに伴う利用率や利用方法にも変化が起こると想定されます。一方、AI Overviewsの信頼度の向上により、ユーザーの検索行動がAI Overviewsで完結してしまう、いわゆるゼロクリック検索の増加が予想されます。
信頼性の高いコンテンツを提供し続けることは、SEO対策やユーザーエクスペリエンスの向上を図る上で重要となりますが、同時に、AI Overviewsのアップデート状況や機能の把握と検証の上、ゼロクリックの回避や、サイトへの流入を増加させるためのキーワードやコンテンツの見直しなどといった、AI Overviewsに適応した、従来のSEO戦略とは異なる戦略を立てることが今後重要になると言えます。
当社では、AI Overviews などのAIにより進化する検索システムに対して、コンテンツの最適化や、集客力の維持と向上を行う、AIO(Artificial Intelligence Optimization)対策に対応したサービス「AIO リサーチ」の提供を2025年4月より開始しております。
(AIOリサーチ(SEOのAI最適化調査)提供開始 (2025年4月14日) - https://www.auncon.co.jp/press/release/2025-04-14-1)
本サービスにより、多言語に対応した検索結果の表示状況の確認や国別の分析の上、課題の確認や適切な戦略の立案を行うことで、国内のみならず海外向けのマーケティングにおいても常に最適な対策を講じることが可能になります。
目まぐるしく変化する市場に適応した「AIO リサーチ」サービスの詳細については、ぜひ以下をご覧ください。
(26年のSEO支援実績、AI 検索時代に対応した新サービス【AIO リサーチ】 - https://www.auncon.co.jp/service/seo/aio-research/)
調査概要
【調査主旨】
生成AIツールの利用状況と検索における利用実態調査
【調査要綱】
アメリカ、中国、シンガポール、日本を対象に、生成AIの利用に関するアンケート調査を実施
【対象国(N数)】
アメリカ(324)・中国(328)・シンガポール(324)・日本(840)
【調査要綱】
・調査期間:2025年3月24日~2025年3月28日
・対象:対象国の15歳以上の男女
【調査方法】
インターネット調査(Surveroid, https://surveroid.jp を利用しアウンコンサルティングが実施)
【出典】
(※1) Google Product news - Generative AI in Search: Let Google do the searching for you(2024年5月14日) , https://blog.google/products/search/generative-ai-google-search-may-2024/
(※2) Google Japan Blog - AI による概要 : ウェブにつながる新しい方法,(2024年8月16日) , https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-overviews/
(※3) ジェトロ(日本貿易振興機構) - AI戦略を刷新、先端製造や医療など導入事例拡大へ(2023年12月12日) , https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/12/bab3f7a845fcf636.html
(※4) 総務省 令和6年版情報通信白書(第Ⅰ部 第5章「デジタルテクノロジーの浸透」)(2024年7月5日) , https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n1510000.pdf
(※5) Google検索セントラル https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-overviews?hl=ja
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アウンコンサルティング株式会社
[事業内容] | グローバルマーケティング事業(海外SEO、海外広告) | ||
[設立] | 1998年6月8日 | ||
[本社] | 東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F | ||
[代表者] | 代表取締役CEO 信太 明 | ||
[社員数] | 34名(正社員のみ23名)2025年2月末現在 | ||
[資本金] | 100,000千円(資本準備金 538,774千円、2025年2月末現在) | ||
[URL] | https://www.auncon.co.jp | ||
[プレスリリースに関するお問合せ] | 広報担当 TEL:0570-05-2459 MAIL:pr@auncon.co.jp |