07/16/2025 | Press release | Distributed by Public on 07/15/2025 20:02
Hondaの「自律型コミュニティ」×「Gen-AI(生成AI)エキスパート制度」による、Hondaらしい風土への改革の取り組みが、日本の人事部「HRアワード2025」(主催:日本の人事部「HRアワード」運営委員会、後援:厚生労働省)の「企業人事部門」において入賞しました。
今年で14回目となるHRアワードは、日本最大級の人事向けポータルサイト「日本の人事部」が運営する、人・組織に関する取り組みを対象にした表彰制度です。優れた取り組みを表彰することによって人事担当者に新たな知見やノウハウを共有し、全国の企業の発展につなげていくことを目的としています。今回「企業人事部門」に入賞した企業10社の中から、全国の「日本の人事部」正会員約37万人による投票で、10月に最優秀賞・優秀賞・最優秀個人賞を決定。公正な運営方法と人事担当者が選考に携わる納得感から、HR関連で最も権威ある賞として、多くの組織の人事部門に支持されています。
総合モビリティカンパニーへの進化を目指すHondaには、多様な才能を持つ従業員が多く在籍しています。一人ひとりが夢と強い想いを持ち、多様な知と多様な夢を相互に作用させて「より自由で、より便利で、より楽しいモビリティ」を実現するために、チャレンジを続けています。その実現のためには、担当する領域を越えた技術・人材の連携・活用が重要だとHondaは考えています。近年急速に進化した生成AIは、業務効率化だけでなく大きな価値創出の可能性を持っています。AIに関する知見や経験を持つ人材は社内に存在していましたが、その技術を「誰が」「どこで」使いこなすかという全体的な視点では、それらの人材が全社的に十分に認知・評価される環境には至っていませんでした。
そのような背景の中で、「個々のスキルを連携させれば、世界一になれる」という想いから従業員自ら立ち上げたのが、口コミ中心のIT技術の自律型コミュニティ「Borders(ボーダーズ)」です。生成AIに関心とスキルを持つ従業員がBordersに集まり、月例の勉強会やPoC(Proof of Concept、概念実証)を通じて、Hondaにおける生成AI活用の実践的知見を蓄積していきました。その活動は、経営層と対話を重ねた結果、全社施策としての位置づけを獲得するに至りました。
また、AI人材の活用では、デジタル領域と人事領域が連携し社内初となる「Gen-AIエキスパート制度」を数カ月の短期間で検討して2024年6月に導入。この制度は、生成AIに関する高い知識、技術、経験を生かして自らシステム構築が可能なエキスパートを社内で発掘・認定し、認定を受けた従業員をプロジェクトへアサインすることで、組織の枠に捉われず活躍できる制度です。プロジェクトに従事している期間は、3段階の認定レベルに応じて最大月15万円のエキスパート加算を支給します。
BordersとGen-AIエキスパート制度により、社内に点在していた生成AIの専門スキルを持つ人材の見える化と、組織の壁を超えた人材活用、AIを専門としない領域からでも業務貢献が正しく認知・評価される仕組みが整いました。その結果、AIによる人材スキルとプロジェクトニーズのマッチング機能の仕組みを作り、人とプロジェクトの最適配置を実現。全社横断でのプロジェクト支援や管理を行っています。BordersのネットワークとGen-AIエキスパートを認定する制度が連携し、Hondaらしい自発的な"学びと挑戦"を支える施策のプラットフォームへと進化しました。施策の開始から1年で50件以上の生成AIプロジェクトを支援し、開発・品質・生産・営業・人事など、全社の幅広い領域で業務効率化や品質向上、意思決定支援といった成果を得ることができました。
Hondaは、「Hondaフィロソフィー」の基本理念である「人間尊重」をベースに、「主体性」「公平」「相互信頼」を人事の3原則として、従業員一人ひとりの意欲や能力を高める環境づくりと、持てる力を発揮できる職場づくりに力を注いでいます。これからも"存在を期待される企業"であり続けるため、Hondaらしさを加速する改革と持続的成長の取り組みを進めていきます。