Thine Electronics Inc.

09/25/2024 | Press release | Distributed by Public on 09/24/2024 19:59

【THine Value】「LEDドライバとは何か、その役割を詳しく解説。使い勝手が高い電飾用RGB LEDドライバで品ぞろえ拡充」が追加されました

 LEDドライバとは、LED(Light Emitting Diodes)を発光させる駆動回路(ドライバ)のこと。LEDを光らせるには、所定の電圧を印加すると同時に、電流を供給する必要がある。この供給電流が一定であれば、LEDの明るさ(輝度)は一切変化することなく安定する。このためLEDドライバは、LEDに対して一定の電圧/電流を供給する役割を果たす。
 現在、LEDドライバは、さまざまな半導体メーカーが製品化しており、その製品数は極めて多い。ただしアプリケーション(応用用途)で分類すると、大きく2種類に分けられる。具体的には、「照明用」と「電飾用」の2種類である。
 当社(ザインエレクトロニクス)は、LEDドライバを製品化する半導体メーカーの一社である。当社の製品の特徴は、いずれも電飾用であることだ(図1)。具体的なアプリケーション(応用用途)は、アミューズメント機器や、アーケード・ゲーム機、デジタル・サイネージなどである。
図1 電飾用LEDドライバ

パワーが求められる照明用

 それでは照明用と電飾用のLEDドライバは、それぞれどのような性能や機能が求められているのか。以下で詳しく見ていこう。
 照明用のLEDドライバはその名の通り、照明器具や照明機器に向けたもの。主に白色LEDを駆動することを想定している。具体的な応用用途は、家庭用照明器具や施設用照明機器、店舗用照明機器、街路用照明機器、高天井用照明機器などである。
 照明用LEDドライバに求められる性能や機能としては、まずは「パワー」が挙げられる。明るい(輝度が高い)照明器具を実現するには、より大きな電流をLEDに流す必要がある。このため照明用LEDドライバでは、数Aと大きな駆動電流を供給できる製品が市場に投入されている。
 さらに調光(dimming)機能の搭載も必須だ。調光とは、LEDの明るさを調整する機能のこと。例えば、壁などに備え付けられたツマミを回したり、専用リモコンを操作したりすることなどでLEDの明るさを段階的に調整できる。代表的な実現方法は2つある。1つは「アナログ調光」。LEDに供給する電流の大きさを変化させることでLEDの明るさを調整する。もう1つは、「PWM(Pulse Width Modulation)調光」。一定の期間におけるLEDの点灯時間と消灯時間を制御することで明るさを調整する。点灯時間を長くすれば明るくなり、点灯時間を短くすれば暗くなる。この点灯時間と消灯時間の長さを決定するのがPWM信号である。PWM信号のデューティ比(オン時間とオフ時間の割合)を変化させることで明るさを制御する。

高い演出性能が必須の電飾用

 一方、電飾用のLEDドライバは、赤色(R:Red)LEDと緑色(G:Green)LED、青色(B:Blue)LEDという3種類のLEDを1パッケージに収めた「RGB LED」の駆動に向けたものだ。RGBそれぞれのLEDの明るさを細かく制御することで、さまざまな色を表現できる。これを利用してフルカラー映像の表示や、複雑な演出を実現する。具体的な応用用途は、アミューズメント機器や、アーケード・ゲーム機、デジタル・サイネージなどである(図2)。
図2 デジタル・サイネージでの活用イメージ

 電飾用LEDドライバに必須の機能としては、アドレス付きのシリアル通信による多彩なリアルタイム演出が挙げられる。希望する表示や色を実現するため、RGBそれぞれのLEDに対して所望の電流を供給する必要がある。LEDに供給する電流の調整にはPWM調光機能を利用する。このPWM調光機能には、広いダイナミックレンジ(供給電流の最大値と最小値の比)と、細かい分解能、高い設定精度が求められる。
 例えば、分解能については8ビット、つまり256段階が求められるケースが多い。RGBそれぞれのLEDの明るさを256段階で調整できれば、256×256×256=約1677万色のフルカラー表示が可能になる(図3)。もちろん、応用用途によっては8ビットより低い分解能で問題ないケースもある。
図3 RGB LEDとフルカラー表示

既存品(THL3512/THL3514)はLVDSインターフェースを採用

 当社は前述の通り、すでにRGB LEDの駆動に向けた電飾用LEDドライバを製品化している。
 このLEDドライバはCPUと組み合わせて使用する(図4)。CPUは、LEDドライバに対して、表示する色を指定するデータ信号とクロック信号をインターフェース経由(例えば、3線式シリアル・インターフェース)で出力する。これらの信号を受け取ったLEDドライバは内部回路で処理し、RGBそれぞれのLEDの明るさ(輝度)を制御するPWM信号を生成する。このPWM信号を、出力チャネル経由でRGB LEDに供給する。こうしてRGB LEDを発光させて、指定した色の表示を得るわけだ。
図4 電飾用LEDドライバの接続例

 ただし、アミューズメント機器やアーケード・ゲーム機、デジタル・サイネージなどは、本体(筐体)のサイズが大きく、RGB LEDを複数個使用する。複数個使う場合でも、CPUと直接接続するのは1個のRGB LEDだけだ。残りのRGB LEDは、カスケード方式もしくはマルチドロップ方式で接続する(図5)。
図5 カスケード接続とマルチドロップ接続

 既存品のTHL3512/THL3514は、カスケード方式もしくはマルチドロップ方式の接続に向けたインターフェースに特徴があった。具体的には、2ペアのLVDSインターフェース(2線式シリアルLVDS)を採用した。LVDSは差動伝送方式を採用しているため、コモンモード・ノイズに対する耐性が高いというメリットがある。

製品ラインナップを拡充へ(THL3526)

 ただしその一方で、LVDSインターフェースにはデメリットも存在する。それは、差動伝送方式を採用しているためシングルエンド伝送方式に比べると、配線本数が増えてしまうことだ。「コモンモード・ノイズ耐性が高いことは歓迎すべきことだが、配線本数が増えることによるプリント基板上の実装面積の増大は避けたい」。こうした設計思想の違いから、LVDSインターフェースを載せたLEDドライバの採用に二の足を踏む電子機器メーカーがあったことも事実だ。
 そこで当社は、こうした「声」に対応すべく、電飾用LEDドライバの製品ラインナップを拡充した。今回新たに製品化したのは「THL3526」である(表1)。LVDSインターフェースは採用していない。LEDドライバ同士の接続は、3線式シリアル・インターフェース(SPI)、2線式シリアル・インターフェース(SPI)、I2Cインターフェースのいずれかを端子設定で選択できる。いずれもシングルエンド伝送方式であるため、配線本数が増えることはない。「プリント基板上の実装面積の増大は避けたい」と考える電子機器メーカーには、最適な製品だと言えるだろう。
表1 当社の既存品と新製品の比較

定電圧駆動と定電流駆動に対応

 さらにTHL3526には、電子機器メーカーにおけるLEDドライバの使い勝手を高めるべく、3つの特徴を盛り込んだ。
 1つ目は、当社の既存品に引き続き、LEDドライバを接続するインターフェースにバッファ回路を内蔵したことである(図6)。このバッファ回路は、リピータ、もしくはリドライバとして機能する。つまり、インターフェースに流れるシングルエンド信号(TTL信号)を受信した後に信号の波形を整形して、再び送出する。このためインターフェースの伝送距離距離を延ばすことが可能になる。前述の通り、アミューズメント機器やアーケード・ゲーム機、デジタル・サイネージなどは、本体サイズが大きい。このため隣り合うLEDドライバとの間隔が長くなってしまうケースが少なくない。今回の製品は、バッファ回路を内蔵したため、こうしたケースにも対応できる。
図6 「THL3526」の内部ブロック図

 2つ目の特徴は、1つのLEDドライバで定電流駆動と定電圧駆動の両方に対応したことである。端子設定で、定電流駆動と定電圧駆動のどちらかを選択できる。この特徴によるメリットは、LEDドライバの調達と在庫管理を簡略化できることにある。定電流駆動品と定電圧駆動品の2品種を調達する必要がなくなり、1つの品種の在庫を管理するだけで済むようになるからだ。
 3つ目は、静電気放電(ESD)に対する耐圧を高めたことである。LEDドライバの回路設計を工夫することで実現した。当社内の試験結果では、人体帯電モデル(HBM)において8kVのESD耐圧を確保していることを確認済みだ。競合他社品の多くは2kV(HBM)であるため、これを上回る。
 なお新製品のパッケージは、実装面積が7mm×7mmの48端子QFN。最大駆動電流は、定電流駆動時に40mA、定電圧駆動時に80mA。輝度の調整段数は、最大256階調。電源電圧は4.5~5.5Vである。
 今回、新製品を投入したことで、当社の電飾用LEDドライバの品ぞろえは拡充された。このためアミューズメント機器やアーケード・ゲーム機などの設計思想に応じて最適なLEDドライバを選択することが可能になったと言えるだろう。

以上
Thine Electronics Inc. published this content on September 25, 2024, and is solely responsible for the information contained herein. Distributed via Public Technologies (PUBT), unedited and unaltered, on September 25, 2024 at 01:59 UTC. If you believe the information included in the content is inaccurate or outdated and requires editing or removal, please contact us at [email protected]