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Obayashi Corporation

06/18/2026 | Press release | Distributed by Public on 06/17/2026 21:07

液化水素冷熱の安定回収を可能とするシンプルな熱交換技術を開発

建物空調や冷凍設備などに利用する実証を開始

2026年 06月 18日

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、岩谷産業株式会社(本社:大阪・東京、社長:間島寬)と共同で、国内有数の水素エネルギーの研究開発拠点である岩谷産業 中央研究所・岩谷水素技術研究所において、液化水素の冷熱利用に向けた新しい熱交換技術を開発し、本技術を用いた建物などへの適用実証を開始しました。

開発の背景

液化水素は、水素ガスを-253℃の極低温で液化したもので、圧縮水素ガスに比べ密度が高く、大量輸送・大量貯蔵に適しています。このため、輸送効率が求められる産業用途や水素ステーションなどで利用されています。一方で液化水素を利用する際には、主に気化器を用いて常温の水素ガスに戻しますが、その過程で生じる冷熱は活用されず、大気に放散されてきました。この冷熱を有効活用する技術の開発は、水素社会の進展を見据えたエネルギー利用の高度化と、冷却に必要なエネルギーの削減を通じて、脱炭素社会の実現を後押しする重要な取り組みです。

液化水素熱交換技術の開発

従来、液化水素の冷熱を利用した熱交換では、二次冷媒(※1)の凝固により、伝熱性能の変動や流路の閉塞(へいそく)などの課題がありました。熱交換の過程では、伝熱面で二次冷媒の一部が凝固(※2)し、同時に水素は蒸発します。

そこで両社は、2022年10月より関西大学の研究協力を得て、沸騰と凝固が同時に生じる伝熱過程の研究に取り組み、伝熱特性を明らかにしました。この知見を生かして岩谷産業の研究所内で実際の液化水素を用いた熱交換特性を実験的に解明し、二次冷媒の凝固が生じても、冷熱を安定して回収できる熱交換技術(以下、本技術)を開発しました。熱交換部は二重管によるシンプルな構造が特長です(下図)。

液化水素の冷熱を安定して回収するシンプルな熱交換部の構造(模式図)

液化水素の冷熱利用実証

研究所内で燃料電池に供給している液化水素を冷熱源とし、本技術により回収した冷熱を建物空調や冷凍設備に利用する実証を開始しました(下図)。

液化水素の気化過程で得られる冷熱量の90%程度を回収し、建物空調などに利用することで、空調用電力の削減に寄与することを確認しました。併せて、建物空調や冷凍設備という異なる冷熱利用温度帯を段階的利用するカスケード方式により、冷熱をより有効に活用する手法について引き続き検証を進めます。

液化水素の冷熱を段階的に建物の冷房・冷凍設備に利用する実証システムの系統図

今後の展望

今後、本実証を通じて、両社は液化水素の冷熱を安定的に回収・利用するための設計・運用手法に関する知見を蓄積し、建物空調や冷凍設備への適用可能性を明らかにします。

将来的には、液化水素の製造・貯蔵・利用が集積する水素利用拠点において、冷熱を無駄なく活用する仕組みの構築を見据え、液化水素サプライチェーン全体のエネルギー効率向上に貢献する技術の確立を目指します。

大林組は、将来的なCO2フリー水素の安定調達や、建物・設備分野での利活用を見据え、水素の多面的な利用価値を高めるさまざまな検討を進めています。本格的な水素社会の実現に向けて、こうした取り組みを通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1 二次冷媒
    間接熱交換方式において、一次冷媒(本技術では液化水素)と熱交換することで温度が変化し、空調機などに利用される媒体(冷水やブラインなど)
  • ※2 凝固
    液体が冷却されて固体になる物理現象。液化水素は-253℃の極低温であるため、熱交換器内で二次冷媒が凝固するが、凝固が進行すると冷媒の流路を閉塞させる恐れがある

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組コーポレート・コミュニケーション室広報課
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