06/02/2026 | Press release | Distributed by Public on 06/02/2026 08:01
DNAコンピューティングとは、従来のパソコンのようなシリコン製の半導体チップ(電子回路)の代わりに、生体の遺伝情報である「DNA分子(A、T、G、Cの塩基配列)」を計算素子として利用する次世代の計算技術です。
Molecular Computation of Solutions to Combinatorial Problems
https://courses.cs.duke.edu/cps296.4/spring04/papers/Adleman94.pdf
Chapter: DNA Computing
https://users.cs.duke.edu/~reif/paper/DNA.ComputingChapter/DNA.ComputingChapter.pdf
1994年に先述のレオナルド・エーデルマンが提唱し、「生化学反応を使って数学的な問題を解く」という全く新しい概念として提唱し、チューリング賞を受賞しています。
従来のコンピュータは、電気信号のON/OFFを「0と1」のデジタルデータとして処理します。 一方、DNAコンピューティングでは、DNAを構成する4つの塩基(アデニン: A、チミン: T、グアニン: G、シトシン: C)の並び順を「データ」として扱います。
解きたい問題の要素(例:都市の名前やルート)を、特定の塩基配列(例:AAGCT...)に対応させたDNA断片を人工的に合成します。
DNAには、「AはTとだけ、GはCとだけ結合する」という強力な規則性(相補性)があります。 これらのDNA断片をひとつの試験管に入れて混ぜ合わせると、化学反応によって、ルールに適合するDNA同士が勝手に結合(ハイブリダイゼーション)していきます。この「分子が勝手に結びつく現象」そのものが、コンピュータでいう「計算」にあたります。
結合が終わると、試験管の中には無数のパターンのDNA鎖ができています。そこから生化学的な手法(電気泳動やPCR増幅など)を使って、「正しい解の長さを持つDNA」や「目的の配列を含むDNA」だけを抽出します。残ったDNAの配列を読み解くことで、それが問題の「答え」になります。
現在のスーパーコンピュータや量子コンピュータと比較して、DNAには以下のような極めてユニークな強みがあります。
実用化に向けてはまだ高い壁があります。
現在の研究では、一般的なパソコンの代わりを目指すのではなく、その特性を活かした以下の分野で応用が進んでいます。