10/14/2026 | Press release | Distributed by Public on 10/13/2026 19:26
アスエネ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:西和田 浩平、以下「当社」)の研究論文が、自然言語処理分野の国際会議「EMNLP 2026(The 2026 Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing)」のワークショップである「ClimateNLP 2026」に採択されました。当社は2026年10月28日(水)に、ハンガリーのブダペストでこの論文を発表します。
今回採択された論文は、企業のサステナビリティ報告書から、気候変動に関する開示の根拠ページを効率よく探す方法を検証した研究です。企業のサステナビリティ報告書を用いた検証では、通常のキーワード検索と比べ、気候変動に関する必要な情報をより正確に探し出せることを確認しました。
欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)のうち、気候変動に関する基準「ESRS E1」は、温室効果ガス排出量や削減目標、エネルギー利用などについて、企業が開示する情報を定めています。
しかし、サステナビリティ報告書は長いうえ、構成や見出しは企業ごとに異なります。また、開示基準の用語と企業が報告書で使う表現が一致しないことも多く、そのまま検索しても必要な記述を見つけにくい場合があります。
本研究では、開示基準の用語と企業が使う表現の違いを考慮し、根拠ページを探す方法を検証しました。
本研究では、ESRS E1の開示要求を、関連する表現や項目名、単位などと整理した軽量な知識体系「オントロジー」を用いて、検索に使う語句を広げました。
例えば「Scope 2排出量」を検索する際に、企業の報告書で使われる「購入電力由来の排出量」や、算定方法を示す「市場基準」「ロケーション基準」といった関連語も検索に加えます。これにより、開示基準の用語と完全に一致しない記述も探せるようにします。
5社の報告書を用いた検証では、正解となる根拠ページやセクションを検索結果の上位10件以内に見つけられる割合が、通常のキーワード検索の約70%から約84%に向上しました。特に、開示基準の表現と報告書上の表現が異なりやすい「削減目標の年」や「排出量とカーボンクレジット・除去量の区分」に関する検索で、大きな効果が見られました。
論文名:Ontology-Guided Query Expansion for Evidence Retrieval in ESRS E1 Climate Disclosures
当社は、今回の研究で得た知見を、企業のサステナビリティ情報を収集・確認する業務の効率化に向けた研究開発に生かします。また、AIサステナビリティ統合プラットフォーム「ASUENE」の情報開示に関する機能への応用を検討します。
「EMNLP」は、国際計算言語学会(ACL)の専門部会「SIGDAT」が主催する自然言語処理分野の主要な国際会議のひとつです。
「ClimateNLP 2026」は、自然言語処理を気候変動の研究や対策に活用する方法を議論する併設ワークショップです。自然言語処理は、人が使う言葉をコンピューターで分析・処理する技術です。同ワークショップでは、専門家による査読を経て研究論文が採択されます。
開催日:2026年10月28日(水)
開催地:ハンガリー・ブダペスト
会場:HUNGEXPO Budapest Congress & Exhibition Center
公式サイト:https://nlp4climate.github.io/