03/11/2026 | Press release | Distributed by Public on 03/11/2026 00:23
日本財団は、東日本大震災の発生から15年となる2026年3月、日本財団公式Xアカウント(@NipponZaidan)を中心に、親子間の防災に関するズレを浮き彫りにすることで、会話を促す防災啓発プロジェクト「親子ズレない防災」を実施しています。
今年、2011年3月当時までに生まれた子どもたちが中学を卒業します。震災の記憶を持たない世代が育つ中、家庭における防災意識の継承は新たな局面を迎えています。
共働き世帯の増加、習い事・学校行事の多様化、スマートフォンへの依存等の社会変化が重なり、親子がゆっくりと防災について話す機会は失われつつあります。明光義塾の調査(2025年)では、子どもが災害時に適切な行動を「とれないと思う」と回答した親御さんが56.3%に上っています。防災知識の問題にとどまらず、家庭内の対話そのものが失われつつあるという構造的な課題が、数字ににじんでいます。
今回、子どもだけになりがちな場面を想定した防災筆記テストを制作しました。お子さんには帰り道・留守番中それぞれの際に「地震が起きたらどうする?」、親御さんには「お子さんはどうすると思う?」などと出題しました。
協力を得た国内4小学校のうち、愛知県・瀬戸SOLAN学園初等部6年生とその保護者の親子51組に対する同じ防災テスト(4問)の実施結果を分析したところ、回答全体の約6割で親子の認識にズレが確認されました。本テストは傾向の把握を目的としていますが、子どもの豊かな発想から生まれた思いがけない回答や、大人が想定していなかった、けれど防災の観点からも理にかなった視点もありました。必ずしも正答のある問いではないものの、意識に一定の「ズレ」が生じていることが改めて浮き彫りになりました。
取り組みでは、どのようなズレがあったか、実際の答えも紹介しています。ぜひ答えを通じて対話のヒントを見つけたり、テストに挑戦してズレをチェックしてみてください。
日本財団公式X(@NipponZaidan)では、以下を公開しています。
親が「そうするように伝えている」と回答した内容と異なる行動が見て取れた。また防災訓練で有名な標語の「おかしもち(押さない、駆けない、喋らない、戻らない、近づかない)」を忘れて「走ってかえる」という行動を答えた子もいた。
「修理代を少なくする」「楽器を守る」「110番の家に行く」「教室にもどり頭を守る」など、普段親から教わっているようなしつけ、行動を地震発生時にも子どもは守ろうとする。
帰り道の場合は「安全を確認して家に帰る」と答えた子に対し、親は「学校や母親の会社へ行き安全を報告する」との回答があった。また親が「待ち合わせ場所に向かう」、子が「助けてもらった人にありがとうをいって帰る」とする回答もみられた。
子どもが留守番中の場合は親子ともに「机の下に隠れる」などとする回答が多かったが、揺れが一旦おさまった後の行動では、親の「スマホで現状を確認する」に対して子の「すぐに家を出る」や、親が「親に連絡する」、子が「親友に連絡する」など想定に食い違いが目立った。
大人の想定よりも具体的に、また状況を分岐して答えている回答もあった。教えられたことだけでなく、自ら発展して考えた上で行動しようとする回答もあった。
3月6日に「親子ズレない防災」を紹介するイベントを二子玉川ライズ(世田谷区)で実施いたしました。イベントでは第一子が産まれパパとなったばかりの令和ロマン・松井ケムリさん、今回のプロジェクトの監修者で、防災に関する啓発活動を実施しているNPO法人プラス・アーツの服酉信吾さんが登場。実際のズレ回答を見ながら対話の重要性を共有しました。3月7~8日にイオンレイクタウンmori(埼玉県越谷市)でも巡回実施し、これまでに見つかったズレを展示したり、親子で実際にテストに挑戦できるスペースなども設けました。
| 対象校 | 岡谷市立岡谷田中小学校(長野県)、昭和女子大学附属昭和小学校(東京都)、板橋区立高島第二小学校(東京都)、瀬戸SOLAN学園初等部(愛知県)の4校における、小学生とその保護者計651人(計316組) |
| テスト手法 | 小学生とその保護者が同一の設問に対し、別々に回答。保護者は「自分自身の子どもはどう行動するか」を予測して回答。設問は「帰り道」「お留守番中」「放課後」の3場面において、発生時の行動とその理由を問う。 |
| 分析対象 | 瀬戸SOLAN学園初等部(愛知県)の親子51組を対象に分析。あわせて一部親子へのヒアリング実施 |
| 企画・制作 | Artistspoken、監修:NPO法人プラス・アーツ |