06/05/2025 | Press release | Archived content
2025年6月5日、モンゴル、ウランバートル-国際金融公社(IFC)とモンゴル金融規制委員会(FRC)は、モンゴルにおけるサステナブルファイナンスの一層の推進に向け、パートナーシップを更新すべく、新たな覚書(MOU)を締結しました。また、今回の合意を受けて、IFCグリーンファイナンス市場開発プロジェクトの第2フェーズも始動することになります。
モンゴルは、これまでに様々な取り組みを通じ、グリーンファイナンス推進で大きな進歩を遂げてきました。2021年には、包括的日本信託基金(CJTF)を通じた日本政府の支援のもと、IFCはFRCによるモンゴルのグリーンボンド規制及びガイドラインに関する文書の策定を支援しました。それ以降、モンゴルは、国内外の社債市場において、7件のグリーンボンドおよびソーシャルボンドの発行を通じ、総額3億3,800万ドルの資金を調達しました。2022年には、IFCは他の開発パートナーと協力し、主要な国際的報告フレームワークおよびIFCの開示・透明性ツールキットをもとに、FRCによるモンゴル企業向けの環境・社会・ガバナンス(ESG)およびサステナビリティの報告に関する指針の策定を支援しました。2023年には、FRCはIFCの支援するサステナブル・バンキング・ファイナンス・ネットワークにも加盟しています。
今回の覚書のもと、両機関はブルーボンド、サステナビリティ・リンク債、サステナブル債といった革新的なテーマ型金融商品の規制整備を進めるとともに、モンゴルのESG報告に関するフレームワークを国際財務報告基準(IFRS)サステナビリティ開示基準のS1号及びS 2号に整合させるために協力していきます。
「今回のイニシアチブは、より多くのモンゴルの発行体がグリーンボンド以外の気候変動をテーマにした金融商品を活用して資金調達手法を多様化し、主要プロジェクトに追加的な資本を呼び込めるように支援することを目指しています。IFCとの協力を通じ、国際基準に即した、より強靭で環境面で持続可能な金融セクターの構築を推進できると考えています。これは、わが国経済全体の持続可能性の向上にも資するものです」とモンゴル金融規制委員会会長のジャムバージャムツ・トゥンデブ氏は述べています。
「モンゴルの持続可能な開発計画は、インフラ、農業、林業分野での大きな投資機会を生み出し、雇用創出、イノベーション、そして包摂的な成長を後押しするものです。これらの投資によって、建設・保守からサービスセクター、クリーンテックのスタートアップまで、多様な雇用機会が創出されるとともに、起業家精神や新たな産業が育成されていくことが期待されています。私たちは専門性を活かし、民間セクターによるソリューションが一層活用されるための環境を整えることで、同ビジョンの実現を支援していきます」とIFCモンゴル常駐代表のマシュー・リ・ブランは述べています。
過去10年にわたり、IFCはモンゴルにおけるサステナブルファイナンスの発展において重要な役割を果たしてきました。IFCグリーンファイナンス市場開発プロジェクトの初期段階において、IFCはモンゴルの銀行セクターを対象に気候変動リスクへのエクスポージャーの包括的な評価を実施しました。2023年と2024年には、モンゴル初のグリーンボンドおよびソーシャルボンドに投資し、同国のサステナブル債市場の活性化に貢献しました。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、途上国の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2024年度、IFCは途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる560億米ドルの投融資を承認し、居住可能な地球において貧困のない世界の実現に向け、民間セクターによる解決策の活用や民間資金の動員に取り組んでいます。詳細はhttps://www.ifc.org.をご覧ください。
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FRCについて
モンゴル金融規制委員会(FRC)は、モンゴル国会傘下の独立機関であり、ノンバンク金融セクターの規制および監督を担っています。FRCは、ノンバンク金融機関、保険会社と保険仲介業者、証券会社、貯蓄信用協同組合、不動産業者、貴金属・宝石ディーラー、暗号資産交換業者、貸金サービス業者など、幅広い事業体を監督しています。FRCは所掌業務の遂行を通じ、金融不正行為を防止し、関連法規が確実に遵守されるようにすることで、証券保有者や国内外の投資家、保険契約者など、金融市場の個人利用者の利益を保護する責任を担っています。