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10/02/2025 | Press release | Distributed by Public on 10/01/2025 21:25

航海気象サービス「SeaNavigator」にAIエンジン搭載で迅速な運航判断を実現

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2025.10.02

AIが膨大な気象や航海データから最適解を導く

航海気象サービス「SeaNavigator」にAIエンジン搭載で迅速な運航判断を実現

〜荒天影響船や波・風のモニタリングを強化、船舶性能の解析業務を迅速化〜

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[Link]株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区、代表取締役社長:石橋 知博)は、船舶の環境性・安全性・経済性に配慮した運航を支援する統合型の航海気象サービス「SeaNavigator」にAIエンジンを搭載し、新たに気象・海象見解の自動生成や荒天影響船を自動抽出する「AI Weather Insight」と、膨大な海象や航海データの分析で運航最適化を支援する「AI Agent」の提供を開始しました。「AI Weather Insight」は、AIを用いて5日先までの全世界の海域における気象・海象見解をテキストや表で自動生成するほか、船舶の位置や航路情報をもとに、荒天影響船をピックアップし、波・風の予報や影響時間を瞬時に算出します。荒天時でも常にリアルタイムの予報を確認できるため、より安全なルート選定や遅延リスクなどの把握が可能になります。「AI Agent」はテキストで質問するだけで、過去の海象データやお客様の船舶の位置情報や船舶性能などのデータにアクセスして分析し、チャット形式(対話形式)で回答します。例えば、「この3か月で燃費が良くて、スピードも出る船舶は?」のように、人手では時間がかかる内容もAIによって瞬時に分析できるため、船舶性能の業務解析の迅速化が実現します。今後は海運事業者(船主・船舶管理会社・運航船社)のお客様からのフィードバックをもとに、より便利にご利用いただけるよう「AI Agent」の機能の拡張や新たなAIソリューションの開発に取り組みます。当社は40年以上の海象データや累計100万回の航海データ、そして船長やオペレーターとのコミュニケーションで培った知見を活かし、これからも海運事業者の安全運航を支援してまいります。本サービスに関するお問い合わせはこちらhttps://biz.weathernews.com/sn20241009/AIが船舶の荒天リスクを自動検知し、波・風予報をタイムリーに伝える「AI Weather Insight」「どの船が荒天に遭遇する恐れがあるか」を把握することは、全ての海運事業者にとって非常に重要です。海運事業者は、近年の気象・海象の極端化や急変の増加に伴い、これまで以上に情報収集の頻度を上げて、影響のある船舶の把握に時間をかけています。これまで当社では、航海気象事業部の専門家が世界の予報をもとに気象見解を作成し、船舶の位置情報や航路から台風など荒天の影響が大きい船を抽出して海運事業者に伝えていましたが、荒天時には業務が逼迫し、平常通りの高頻度での情報提供が難しくなるという課題がありました。当社は最新情報をタイムリーに届けるべく、AIを用いて最新の気象・海象の見解や荒天影響船を伝える「AI Weather Insight」を開発しました。 /wp-content/uploads/2025/09/SeaNavigator_AI-Weather-Insight0922.mp4「AI Weather Insight」は、AIを用いて5日先までの全世界の海域における気象・海象見解をテキストや表で自動生成するため、「SeaNavigator」の利用者は熱帯低気圧の発生確率などを考慮した最新の概況文をいつでも入手できます。また、利用者の船舶の最新位置情報と航路情報をもとに、AIを用いて荒天の影響期間や遭遇状況の自動分析することで、利用者は荒天影響船を瞬時に把握できます。これにより、利用者は従来のようにパソコン上で気象と船の位置を動かして荒天影響船を推定したり、ウェザーニューズの専門家に問い合わせたりする手間がなくなります。社内での荒天影響船の共有が迅速になり、ルート変更などの判断や遅延のリスク把握のスピードが加速することで、安全性と効率性のさらなる両立が期待できます。[Link]「AI Weather Insight」をクリックすると、気象・海象概況のほか荒天影響船と波高や風の予報などが表示される(右側のテキストや表)膨大な気象・海象や航海データの分析で運航改善へ導く「AI Agent」船舶の性能を把握して運航を最適化するためには、波や風のデータのほか、船から届くレポートや波高を観測する航海機器など、様々なデータを分析する必要があります。当社ではこれまで、海運事業者が自ら分析いただけるよう、画面上に帳票を表示し、PDF や CSV などで出力いただけるようにしておりました。今回、より深い分析を簡単に行っていただけるように新たなAIソリューションを開発し、提供を始めました。[Link]「SeaNavigator」の「Logbook+」を開いて「AI Agent」に分析したい内容を質問する /wp-content/uploads/2025/09/SeaNavigator_AI-Agent.mp4「AI Agent」は、契約船舶に関する膨大な航海データをもとに、従来、人手による分析では時間を要していた船舶性能に関する情報をチャット形式で取得できます。「AI Agent」は、契約船舶の性能データのほか、航海基本情報(IMO番号や船舶仕様など)、航海履歴、船舶の位置情報にもアクセスできます。そのため、例えば「自社の船舶の中で、過去3か月で燃費が最も高く、スピードも速い船をランキングしてほしい」や「有義波高が4mを超える場合に、最も燃費の良い船を教えてほしい」とチャット形式で質問するだけで、テキストやグラフ、チャートで分析結果を得られます。これにより、従来のように複雑なフィルターを手動で設定したり、複数の画面を行き来したりする手間がなくなり、分析にかける時間や質が大幅に改善します。[Link]「AI Agent」チャット形式での質問と分析結果[Link]「AI Agent」にスピードが速い船について質問する様子と回答当社には海象や航海データはもちろんのこと、オペレーターや船舶管理者、船長、乗組員との日々のコミュニケーションによって得られた業務に関する知見、そして年間900社の海運事業者からの継続的なフィードバックが蓄積しています。これらのデータをDXに使える形にクレンジングしてこれまで保有し続けてきたからこそ、この膨大なデータと最新のAI技術と組み合わせることで、実運用に使える現実的なソリューションの提供が可能になっています。当社はAI技術やデータをブラックボックスにせずに信頼性や透明性の高い形で提供することで、安全性と説明責任が求められる海運市場でも安心してご利用いただけるよう努めています。当社は、今後も「AI Agent」の機能を拡張していく予定です。複数のメニューやデータを自律的に行き来し、船舶業界のあらゆる活用シーンにおける業務を支援するプラットフォームへ「SeaNavigator」を進化させていきます。 株式会社ウェザーニューズ 執行役員 航海気象事業担当 Kwon Keemoonのコメント"船乗りの命を守りたい。地球の未来も守りたい。"この創業以来の揺るぎない想いを胸に、当社は安全性、経済性、そして環境性を総合的に考慮した新たなサービス開発に絶えず取り組んでいます。40年以上にわたり蓄積してきた膨大な運航データと業界専門知識、そして世界中の年間900社のお客様へのサービス提供から得られたノウハウ。これらをAI技術と最適に融合させることで、複雑な海運業界の課題に対してイノベーションを通じて持続的に解決していくことこそが、私たちが目指す未来です。 私たちは、AIが意思決定を代替するのではなく、人間の判断を強力に支援するものであるべきだと考えています。特に、航路の最適化は、船員の安全、船体資産、そして貨物の価値に直結する極めて重要なプロセスです。そのため、AIが生成した最適航路案は、すべて豊富な経験を持つ当社の専門家によって慎重にレビューされます。技術はあくまでツールであり、最終的な責任は常に人間にあることを私たちは強く認識しています。そのことを念頭におきつつも、経済性や環境性を考慮し、これまで以上に便利にご利用いただけるような新たなサービス開発に取り組んでまいります。統合型の航海気象サービス「SeaNavigator」当社は2024年10月より、大型から中小型まであらゆる船舶の環境・安全・経済に配慮した運航を支援する統合型の航海気象サービス「SeaNavigator」を提供しています(※)。利用者は最適なルート選定のほか、CO2排出量の可視化、安全性の確保、座礁の回避など、航海前から航海終了後に必要なあらゆる情報をOne-Platformで把握できます。「SeaNavigator」のなかでも、最新の気象・海象情報と荒天影響船をモニタリングする「Fleet Status Monitoring」や船舶のレポート情報などをもとに船舶性能を分析する「Logbook+」のほか、運航状況のリスク把握をする「Voyage Monitoring」がよく使われています。そのほかにも、最適運航のための航路・船速別の到着時間や燃料消費量を算出する「Voyage Comparison」、航海計画と海図情報を用いて、座礁などのリスクを把握する「Navigation」、CO2排出量や燃料実績格付け制度などの環境データを分析する「Emission Dashboard」などを提供しています。また、地震・津波の発生時のような緊急時にスマートフォンから即時に確認したいというニーズを受けて、モバイル表示にも対応しています[Link]「Fleet Status Monitoring」のモニタリング画面 船が荒天に遭遇するリスクがある場合や予定と異なる場所を航行しているときや、 レポートが届いていない場合などに、黄色・赤色で船舶や陸上オペレーターに危険を知らせる[Link]モバイル版のSeaNavigator当社は「船乗りの命を守りたい」という創業時の想いを胸に、累計100万航海のサポート実績を活かして、引き続き船舶の安全運航を支援していきます。また、当社はAI技術の全社横断的な活用を進めており、今後もお客様の要望や知見を容易に実行できる様々なAIソリューションを開発してまいります。 本ニュースをプリントアウトしてご覧になりたい方はこちら
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